令和三年三月場所二日目観戦記
そ の 四(令和 3年 3月15日)
左を差して胸を合わせながら出ていくと、相手武玄大は体が伸びて崩れ落ちる。巨体の威力は健在だ。その代わり踏み込みがないので、 このところの定位置である幕下の真ん中あたりから脱出するのは、まだ難しそうに思える。
右膝の大怪我で初土俵が大きく遅れ、遅れてきた新人のようになった二本蛛A昨年 1月に序ノ口優勝を飾り、この場所は幕下 2場所目。 王輝は
左腕のサポーター
がまだ取れない。二本蜥痰ｭ当たって左下手を深く、右下手を浅く取り、右は切られたがグイグイ出て右筈で西に寄り切り、 一方的な勝ち相撲。体に合った低い攻め。
十枚目行司・善之輔が登場して、パッと明るくなる場内。西の寺沢左を差そうと胸を出し加減に立ったが、いつの間にやら滑空して東の土俵際にいた。 確かに寺沢は軽量であるが、海乃島の首と背に力がないと、こうはならない。
十枚目の土俵入り前最後の一番は好取組、西に北青鵬、東に時栄。昨年後半負け知らずの21連勝で幕下に進出した長身の北青鵬に、 粘り強い足腰で取る時栄。しかし北青鵬の背中は、半分以上がテープで覆い尽くされていた…
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