令和五年九月場所初日観戦記
そ の 十四(令和 5年 9月10日)
前場所新入幕でともに敢闘賞を受けた、豪ノ山と湘南乃海のご両人。
立ち合いは湘南乃海が右前に出て左を巧みに入れた。まずは得意の左四つに捕まえて、腹を出し加減に正面に攻めていく。 馬力一辺倒の力士と見られがちな豪ノ山いきなり大ピンチだが、剣ヶ峯の一歩手前で左を返し、左に廻るや両筈に入った。 攻め込んで後ろにまだまだ余裕のある湘南乃海、泡を喰った。右から突き落としを見せて後退する。 豪ノ山、出足速の突撃。左筈はそのまま、右を廻しに宛がう押し、向正面に湘南乃海を降した。
昨年
2度目の優勝
を勝ち取った玉鷲は間もなく39歳。玉鷲の優勝は13勝だったが、 そのあとは照ノ富士が初めて14勝での優勝を飾った 5月を除き12勝以下の優勝成績が続いている。玉鷲の爆発力の凄さを物語る。 他方、爆発力とは対極にありそうなのが錦木。その場に壁として在るという印象の力士だったが、この数場所は壁そのものが前進してくるような取り口になり、 驚くことに小結になった。この日もそうだ。玉鷲が押しても動かず、左に廻る玉鷲に迫っていく重厚さたるやもう。
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幕内取組・四
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